おんなで
東京
GRAPHIC DESIGN INTERACTIVE DESIGN
女手とはひらがなの事で、日本のルーツの一つです。
かつて漢字は男性しか書くことが許されなかった中で、自分の想いをしたためて詩にするために生まれたのがこの美しいひらがなです。
女手にはそれぞれ規律があり、細かい表現が文字に含まれていました。
詩を歌うように文字を書く。五十音ひらがなと楽譜を掛けあわせたものが、おんなでです。
女手は源氏物語や枕草子などに見られる思いをしたためる一つのコミュニケーションツールである。
高野切はその中でも代表的な型である。
この作品は高野切第一種を参照している。
女手には墨法(筆圧)、連綿(文字の流れ)という技法がある。
一字一音のひらがなのルールに着目。
文明の進化により、縦書きの文字は横書きへ。また文字は一文字ずつ独立していった。
繊細なラインと濃淡で「感じる」楽譜をコンセプトに制作しました。
この楽譜は音の高さや和音などをシステマチックに表すものではありません。
歌い手の力が強く入るパートと息を抜く箇所を感じ取る事が目的です。
より想いを綴る事に近い、詩的なものです。
ひらがなの持つ柔らかいラインは、使い手によって
開発されたものでした。その用途は日本ならではの、奥ゆかしさがあり、日本人の性格そのものであるとも言えます。文化が多様化されていく中でも、隠れる
日本の美を引き出そうと意識を傾けることは、自らのルーツに還る大事な試みだと言えます。
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